埋没法は何回まで出来るのか,という問題
埋没法は何回まで受けられるか,という質問をしばしば受けます.
大体3~4回までという風に答える医師が多いでしょうか.何度でも出来るという医師もいます.
手術自体は何回でも出来るけれども,あまり何度も手術するのは良くない,というのが大方のコンセンサスです.ここでは,それを前提としつつ,少し違った角度から回答してみたいと思います.
そもそも,何故複数回埋没法をすることになるのでしょうか.
糸が露出したり感染したりしてしまった場合に糸を抜去して再手術をするのはやむを得ないところです.「回数制限」を気にする必要はありません.
幅を広げたくて再手術をする場合も,あまり回数を気にしなくて良いと思います.そう何度も幅を変えるということはないでしょうから,2回か,せいぜい3回までの手術におさまり,これ位なら問題は少ないでしょう.しかし,ごく軽微な緩みにより僅かに幅が狭くみえる,というのを気にして何度も再手術するのは避けるべきです.
埋没法をしたものの短期間で後戻りし,再手術をする,そしてこれを繰返す,という場合は少し問題です.適切な手術がされていて,それがすぐに後戻りしてしまうということは,元々の瞼の状態や希望の二重幅が,埋没法では難しいということを示唆しています.すぐに戻ると予想されているものを何度も手術するのには賛成できません.一度試す位はよいでしょうが,すぐに戻ってしまう場合ははやめに見切りをつけて切開法を検討すべきです.こういう場合の「回数制限」は「一度きり」としても良いと考えます.
埋没法の「回数制限」について,「○度まで」と言いきるのが難しいのは,複数回手術をする理由や,瞼の状態や希望の幅が患者さんごとに様々だからです.2回目以降の埋没法を希望する場合は,患者さんにも「何度も手術するのはよくない」という認識を持って頂き,その上でリスクとメリットを天秤にかけて手術するかどうか検討されるのが良いでしょう.