ホクロの除去について
ある程度以下の大きさのホクロの除去は電気メスで削る方法で行うのが簡便です.削る方法の適応となるホクロは,教科書的には,主に顔面にあるもので,3mm-5mm程度の大きさのものです.
とはいえ,削る方法は,ホクロを一度傷に置き換え,それを治癒させるものです.瘢痕が目立たない体質であったり,術後の自己処置が問題なくできる,多少目立つ瘢痕になっても受容できる,など,条件次第によっては,より大きなホクロに対しても削る方法を適応してもよいと考えます.
削る方法のデメリットとしては,深く削ると陥凹変形を来す可能性があることです.陥凹しそうなくらいに深く削らなければならない場合は,予めエッジを削ってなだらかな瘢痕にすれば,瘢痕の面積は多少広がるものの目立ちにくくなります.
多少の取り残しを許しても,瘢痕が小さく目立たないことを優先する方針もあります.それでもホクロが小さくなれば満足という場合はそれも良いと思います.
どういう方針にするにせよ,削りたい部分は確実に削り,余計なところを極力削らないことが重要です.そのために拡大鏡を使用します.拡大鏡を使用して処置ができることは,レーザーでなく電気メスを用いる利点と考えています.